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Mon
2010.02.15
02:08
 
今月号のアニメ誌は、ニュータイプが一番良かった。

そんなときのFA感想。
原作ネタバレ含みます。
 

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「その・・・ピナコから聞いたよ。体のこととか・・・」
背後でトントントンというリオールの復興を象徴してる音が聞こえている。

この「間」がめちゃくちゃ良い!
力ある錬金術師ホーエンハイムでも、息子のこととなると戸惑いがある。これは36話「家族の肖像」で描かれた遠い昔と同じだ。

リオールの復興。
「不正を暴いてくれたおかげで、町は正気を取り戻した」「良い音だろう?町をあげて復興に取り組んでいるんだ。わだかまりを捨ててな」
かつては拳銃の音が響いていたであろう同じ場所で、今度は金槌の音が響く。それは復興の真っ最中であることを意味する。希望の音。
原作においてこの場面での店主の台詞は「あんたらは不正を暴いた。それは正しい事だと、少なくとも俺はそう思っているよ」で、台詞が少々変更されています。

所詮外部の人間の兄弟が不正を暴く前は、誰一人として教主の行為に逆らいもしなかった。バカな狂信者たち。その事に対する反省と、今度は自分たちの力で町を作り上げる。町から聞こえてくるトントンと響く音は、住人が自分たちの意思で行動していることを意味する。目が覚めた町の人々は、3話でエドがロゼに言い放った「立って歩け、前に進め、あんたには立派な足がついてるじゃないか」を体現しているのだ。逆に言えば、所詮ヨソ者が来なければコーネロの教えから目が覚めたわけで・・・人はあまりにも愚か。だけどそれを踏まえた上で「わだかまりを捨てて」立ちあがっている。変に「立って歩け、前に進め~」の回想シーンを入れずに金槌の音で表現したのが素晴らしい!

3話ではロゼの恋人の件が一言の台詞でさらりさらりと流されてしまったせいで、死んだ恋人のために信仰したというよりは、教主の教えそのものを信仰していたように見えたことがものすごく気になっていた。
死んだ恋人の存在は、ロゼが狂信するに至るきっかけでもあり、目が覚めるきっかけという二つの意味があると思う。「立って歩け、前に進め」その言葉をエドが吐く前には「死んだ人間は生き返らない。二度と。二度と!」という台詞があった。この台詞が付け加えられたこと自体に異論はないが、その台詞を付け加えるのであれば尚更ロゼの恋人の存在がもう少しクローズアップされていたならと今更ながら悔やまれてしまう。(なぜって、エド側の都合しか描かれていないように見えてしまうのです)

ロゼって、死んだ人間に思いを寄せて何かにすがりつく点ではエドと一緒。ロゼは宗教にすがり、エドは錬金術にすがった。エドの「死んだ人間は~」からの一連の台詞は、ロゼとともに自分にも向けている。だからロゼは人体錬成に失敗したエド同様に<死んだ恋人は甦らない>現実を直視しなければならなかった。教主の教えが断たれてしまったということではなく、恋人を甦らせる希望がそもそも存在しなかった絶望感だ。それこそが、教主のペテンから目が覚めるきっかけなのだ。
町が正気に戻ったきっかけは、確かに教主の教えがペテンだったから、しか描かれていない。でもロゼの場合はペテンだったからだけじゃなく、もうひとつ意味があったから目が覚めて、前を向いて歩き始めた。
3話での泣きそうな、だけど怖い(笑)表情をして「死んだ人間は~」と言ったエドを、ロゼは「優しかった」と評する。あの台詞はここに繋がるのだろう。オリジナルで付け加えた台詞に対してここにきてロゼの答えを持ってきたなあ。確かに「自分の頭で考えろ」だけよりはめちゃくちゃ優しい。

改めて原作1巻を読み返してみたらかなり突き放しているように感じられて(実際問題、エドは解答は持ち得ていないから当然として)、店主の台詞も同様に「正しい事だと、少なくとも俺はそう思っているよ」と他の意見の存在を示唆している。(ここ、子供をむやみに傷つけない上手い言い方ではぐらかしたな、と今では思う)

FAでは店主の言い方といい表情といい、過去は過去として、今のこの復興に力を入れていることがとても良く感じられた。子供向けと当初言っていたハズのFAらしい描写だな、と。アルに向けて話したくらいだから「わだかまり」の中には、兄弟のせいで、というのも入ってるのではないか。
正直、なんて生っちょろいんだろう、なんて優しすぎるんだろう・・・とか考えてしまう。

でもなんだか見ていて清々しかった。
それは、あのトントントンという音。妙にBGMをかぶせるわけではなく、SE音を強調したのがめちゃくちゃ良かったです。あの音は誰かが修理のために道具を使っている音なんだよね。
前の至らなかった点はみなかったふりをするのではなく、原因を踏まえた上でわだかまりを捨てて、復興のために町が一丸となる。ある意味皮肉なことだけど皮肉とせずに描き切ったのはお見事。何かが一度壊れていなければ、修理する必要ないもの。そして壊れたからこそ「修理しなければならない」じゃなくて「修理してみせよう」なのが良いですね。


続きます。
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