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Sun
2009.09.06
21:45
 
鋼の錬金術師 23 (ガンガンコミックス)鋼の錬金術師 23 (ガンガンコミックス)
(2009/08/12)
荒川 弘

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本編のセリフを話すときはしっかり演じて、「鋼の錬金術師23巻~」というナレーションではなぜか楽しそうで少々浮ついたような話し方をするのが超気になる。なにがあったんだ(笑)

以下ネタバレ。
原作ネタバレあり。



今回はすごく面白かったよ!!


 

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ナレーション復活!
キャラの心情をご丁寧にお話しくださるわけではなく、状況説明だけなのが良い感じです。
ただ、ナレーションがあるのとないのとで法則があるわけじゃなくて、適当感が漂うのがちょっともにょってしまう。ここら辺は1クールの負の遺産だと思ってます。

・ラースVSリン

BGMがすごい良い!緊迫感を煽りつつ、大総統キング・ブラッドレイことラースの威圧感とリンの焦り、そういったものが凄く良く表れている。やれば出来るじゃないか!音楽が邪魔なだけだった1クールと違って、音楽の使い方がすごく良くなってきてます。ランファンが閃光弾を投げつける瞬間に音楽を止めたり、左目を見開いて剣を放ちリンの動きを止めた大総統には重厚感のあるSEをぶつけてきたり。
漫画を読んでるんじゃなくて、アニメを見ているという気がする!(いや当たり前なんだけども)

・父と母を見送るウィンリィ

涙を必死で我慢するウィンリィが超可愛い。
今回は高本さんの演技がすごく良かったです!見どころは高本さんの演技だとはっきり言ってしまおう。(あとスカー役の三宅さん)
高本ウィンリィは、すごく弱く聞こえるんです。それでいて少々大人びた雰囲気もある。いやむしろ、背伸びをしている感じかなあ。弱くて、強い。強いけれど、脆い。とにかく一生懸命に生きているというのが聞いていて伝わってくる。1クール初期のたどたどしかった演技が、今ではすっかり安心して聞いていられることに今さらながら気付きました。

そういえばウィンリィの父親ユーリ役はてらそままさきさんでした。先月あたりの「銀魂」でドラえもんもどきの関西弁キャラを聞いたばかりだったのでびっくり。とても同じ声優が演じているとは思えなかった。
声優ってすごい!

ヒューズとの墓参り前に、ウィンリィが見た夢という形で両親の姿を示した。彼女が見たのは、だんだん小さくなっていく両親の背中。
対応するかのように、ヒューズの墓の前でエリシア、グレイシアと3人で手を繋ぐ。これは彼女が得たかった「家族」の姿だ。お互いに大切な人を亡くしてきているけれど、それでも手に入れることができたぬくもりがそこにあった。

二度と振り向いてもらえなかった「背中」と、今ここにある温かな手。
この対比。

この場面は22話を象徴しているかのようで大好きです!
原作では全部ウィンリィが言葉に出しています。でもアニメでは話さなかった。なのにグレイシアもウィンリィもエリシアすら「分かっている」安心感が十分に表現されていました。温かくて優しい気持ちが。
ウィンリィの表情のひとつひとつと、静かで優しいBGMの選択、十分にとられた間、全てが相乗効果で良かった。
必要以上に語らないことで、想像させてもらえる嬉しさといったら。

そしてエリシアの小さな手を少しずつ握っていくウィンリィの指の描写がすごく細かいのです!!
噛みしめるようにゆっくりと手を繋いでいく・・・
笑顔を向けるエリシアを、ちょっぴり泣きそうな表情で見つめるウィンリィ。
きっとウィンリィは、そんな自分を見つめてくれる笑顔が欲しかったんだ。

これは完全に後半の銃を握る指をエドによって少しずつ離される描写との対比だ。これがあるからこそ、後半が生きてくる。エドの言う「生かす手」・・・それがエドによって語られるだけではなかったので、ウィンリィが自分で得た「他者の温かさ」としてストンと理解できた。
彼女の手は、赤ちゃんを取り上げたりエドに立ちあがる機械鎧を与えた。それはあくまでもエドから見たウィンリィの「手」。
ならばウィンリィ自身にとっての彼女の「手」とは、かつて背中を見送った人から得たかった、「ぬくもり」なのだ。決して冷たい銃を持つ手ではない。そういう意味では、冷たい銃は冷たくなった両親を思わせもする。

だから銃を握ってはダメなんだ。エド・・・他者のためでもあるけれど、何よりも自分のために。
「生かす手」は他者だけじゃない。自分自身を生かす・・・ぬくもりを得る手段だ。

これだ。私が原作どおりの展開をするFAに望んでいたのは、これだ。原作を膨らませてくれる何かがここにありました。ていうか、原作読んで気付かなかった私がアホなだけかもしれないけれど。

・「エルリック兄弟が暴れまわってるってよ」「ええ!またァ?」
モブの言い方が少々嫌そうでした。原作だと笑いながらだったんだけど。あまり兄弟には良い印象もってなさそうで面白かったです。彼らの行った善行が、善行としてちっとも機能していない。これはいいぞ!

・「やだ、なんで重なるのよ」
前述の「手」と反対の意味を持つ「背中」をウィンリィは思いだす。
「背中」は段々小さくなっていく、目の前から消えていく存在の象徴。ただ泣くのをじっと我慢して見送ることしかできなかった幼いころと違って、彼女は背中を目指してかけていく。二度と失いたくないから・・・。
ここ、「手」の描写が丁寧だったから余計に良い場面になってます。今回は演出がとても良いですね。

とはいえやっぱりFAだよ、と思ってしまうのが、ウィンリィが拾う「銃」という小道具。
憲兵がスカーの攻撃をふいに食らってしまい、おそらく銃はそこで落ちてしまったのでしょう。それはまあ見てればわかる。わかるけど、銃がウィンリィの足元にひっそりと落ちていたのを見たときにはちょっとおかしかった。倒れている憲兵と銃との距離がだいぶ遠かったせいもあって、銃が落ちたのではなく「わざとそこにおかれていた」感覚を受けてしまいました。スカーの攻撃を受けた憲兵が銃を落してしまう、そういうシチュエーションが欲しかったな。

「父さんと母さんを返してよぉっ!」
高本さんの演技大好きです。
でもここあたりのキャラの配置が舞台演劇をテレビで見ている気分になってしまったり。生の舞台を見る楽しさって、カメラが拾ってくれない小さな役者の演技だったりするのです。カメラは淡々とキャラの表情(顔アップ)ばかり映していた。エドがウィンリィがいると知らずにロックベル夫妻の真相を語る、そこをもっと緊迫感を持って演出して欲しかったなあとか。
対して声優が目立って迫真の演技をしていたのが印象に残りました。

そんな中でウィンリィの「手」の演出が光ってた。ていうか、むしろそのために他は淡白にしたのかな?
銃に少しずつ近づいていく手。エドが止めても、アルが叫んでも、銃を手にとってしまう。そこにスカーの師父のセリフが重なる。
「耐えねばならんのだよ」
これはウィンリィにも当てはまる。
煽るBGMと、ウィンリィの呼吸、銃をスカーに向けたところでAパート終了。


この構成がすごく良かった。Aパートで表現されているのは、ぬくもりを得る(与える)側にいた人間が他者に冷たさを与える側に転落しつつある恐ろしさ。特別な人間ではなく、ごくごく普通の、いつもは朗らかに笑っている少女ですら陥る可能性。決してあってはならないコト。
それがすごく分かりやすかった。



というわけでBパートに続く。
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