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Tue
2008.05.27
18:48
 
行きつけの書店のマンガ・アニメコーナーに直行したらなかったので、田舎だから二日遅れの入荷かよ!と憤っていたら、いつものとおり学術・文学書のコーナーにありました。ジョジョのときはマンガ・アニメコーナーにも置かれていたのに・・・あのときはジョジョという有名どころが表紙だったからでしょうか。私だったら関連書籍として置くのに。

「特集*マンガ批評の新展開」と題された特集記事のなかで「現実(リアル)を素材に夢(ファンタジー)を錬る 『鋼の錬金術師』という錬成の行方」というタイトルで扉(荒川氏のサインつき)を含めれば15ページもの大ボリュームとなっています。「錬る」という言葉になってるのがステキです(常用外)。

荒川ファンには、ぜひとも立ち読みと言わず買って読んでいただきたい、そんな充実した内容でした。すごくびっくりするような発言もありましたし。もちろんファンじゃなくても、ですよ~。てなことを書いたところで私ごときのことなんざ誰も聞いちゃいないでしょうけど。

私は思いっきり社会人ですが、この本買ったおかげで次の給料日までガンガン以外買えなくなっちゃいました・・・
大人なのにお金がない奴がここにorz

よく「作家は、言いたいことは作品内のみで語れ」と言われますが、そう思います。作品が終了しているのならまだしも、テーマを作家自身が語ってしまったら、読者としてそのとおりに読まなければならないのかと苦しくなってしまう。善意の押しつけみたいに。もちろんそのとおりにする必要はないんですが、読後の感想が狭くなってしまうのはよろしくないと思います。作者が想定していない事を独自に読み取ることができるのが、作品の幅なんだと思います。たとえば同人ってそういうことなのではないかと。何も腐女子に限定することないじゃん>藤本さん。

だけど、荒川氏のスタンスが作品に興味ある人にとって思わずテーマについて直球な質問をぶつけたくなるような作家なんだなあと。個人的に作家のインタビュー記事は大好きでよく読みます。私自身「鋼ファンだけど荒川ファンじゃない」とか某所で言っちゃいましたが(漫画だろうがアニメだろうが、ハガレンワールドを作ったのはあくまでも荒川先生。決してハガレンワールドを作った人たちの「一部」なんてことは決して思ってません。何しろ「原作者」なのですから。そこは誤解しないでほしいのです)、鋼好きな以上荒川氏の記事はすべて押さえている(はず)です。だって面白いんだもの。何が面白いかって、インタビューでは荒川氏ってば徹底して自分のことしか語っていない。「百姓貴族」みたいな感じなのです。キャラの話が出てきても、それはキャラ作りに絞って答えている。そんなところが面白いのです。

たまにコミックのあとがきとインタビューでの受け答えが全然違う方もいらっしゃいますが、荒川氏は全然ぶれてないような?

聞き手は藤本由香里氏。たまにお名前を拝見するくらいでよく知らない方なので、思わずウィキペディアに直行したら、経歴のところを読みふけってしまったという。これです。

内容の感想は続きから。 

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語り手の藤本氏につっこみをば。

だいたい女の子サイドからすると、強い奴に戦って勝つことの何が面白いんだろうと思っちゃうんです(笑)
(ユリイカ6月号121ページより引用)
面白いですから!星矢がぼろっぼろになっても仲間の言葉に励まされて立ち上がりサガに彗星拳ぶちかますところは感動しましたから!(当時小学生)今見たらそれほどでもないかもしれませんがw

インタビュー内容としては、今まで方々で掲載されたものとかぶるものから、新しいものまでいろいろ。

衝撃的だったのは交通事故に遭われた話でしょうか。
あのときの判断っぷりを思い出すと、合理的ってこういうことかなと思うんです。周りを巻き込まず、自分も生き残る方法を探す術。
(128ページより引用)
これってまさに今のエドじゃないか。
火事場のバカ力的な、だけど冷静さも失わない。熱くありながら、クールでもある。そんな展開が待っているのかしらと、そう思えてしまった。クライマックスに待ち構えているという等価交換を壊す(乗り越える)ていうのは、まさに荒川氏のいう「合理的」な判断そのものではないでしょうか。

あと何より興味深かったのが、微妙に今月号のガンガン「約束の日」を思い出してしまったこと。19巻かけて描かれてきたキャラ描写がひとつにまとまっていく瞬間みたいな感じでしたが、このインタビューもまたそれを思わせてくれた。もちろん人が何かを紡ぎだすときには経験から得たものしか出ないのかもしれませんが、こうも上手くパズルのピースのように「鋼」というマンガに合わさっていくのを見ると、描くべくして描かれたものなのかもしれません。これがデビュー作だっていうのがまたすごいうというか。例えば小学生の頃の経験、空手をしていたこと、4コマ漫画を描いていたこと、百姓としての経験、バイト先での経験、アニメ会社につとめていた友人、それらがなければ今の鋼はなかったかも?

「自分探し」という言葉は、文字通り「自分」だけのアイデンティティの確立というだけじゃなくて、「周囲を含めた、その中の自分のあり方」だと思います。鋼はそこがよく描かれている。人は一人で生きているわけじゃない。自分を含めて枝葉のように分かれているけれど、個々は確実に枝でつながっている。葉しか見てないから自分は孤独だ~とか感じてしまうわけで。その「枝」の部分を見せつけてくれたのが今月号ガンガンの内容なのではないでしょうか。荒川氏の
「メシ食って排泄してるんだから生きてるんだし、それが自分じゃないの?って(笑)」
(127~128ページより引用)
ていうのは、うまくテーマを語ることを避けたなーと別の意味で面白かったです。

そういえば鋼の終了予定の期間がざっくりとですが書かれています。ここはあえて引用しません。まだそれまでは読めるんだとみるか、もうそれしか続かないのかとみるかは各々違うのでしょうが、私としては前者かも。思ったよりも長かったです。

あと面白かったのが、「少年漫画の王道」という言葉を自ら否定されてことでしょうか。確かにジャンプ的王道じゃないかも。つまり「強さのインフレ的な少年漫画」。でも最近のジャンプの「銀魂」ってインフレおこしてないよーな気もしますが、それはそれで面白いんですよ。確かに作品の「評価」としては厳しいかもしれない。インフレがマンネリを起こせばつまらなくもある(ジャンプマンガ「聖闘士星矢」で言えばポセイドン編やブリーチのアランカル編)藤本氏はなんだかバブルと同一視していらっしゃいますが、それはそれとして「弱かった者が強い者を倒す」って、ひとつのカタルシスなのですよ。そこが良いと思う奴もいるのですよ(私とか)。しかも敵だった者が仲間になるのですよ。仲間が増えてくのですよ。そこもまたいいところなのですよ。

インタビュー記事としてすごく面白かったです。年に一度はこうしてインタビューを受けているって実は何気にすごいんじゃ。
一番読みたかったりするのは終了後のインタビューだったりします。
そして、誰かこんな感じでアニメ版についてもまじめに考察してくれないかしら・・・
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テーマ * 鋼の錬金術師 ジャンル * アニメ・コミック
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